分電盤工事の費用とは?役割や種類も徹底解説

分電盤工事の費用とは?役割や種類も徹底解説 電気豆知識
分電盤工事の費用や分電盤の役割、仕組み、種類を詳しく解説します。新築やリフォーム時の交換、電力消費増加時の対応、工事費用の相場についても分かりやすく説明。安全な電力管理のためのポイントも紹介します。

分電盤工事の費用とは?役割や種類も徹底解説

分電盤工事にかかる費用について考える際、まずは分電盤そのものの役割や仕組みを理解することが大切です。この記事では、分電盤の基本的な知識から、工事費用に影響を与える要因、そして相場まで詳しく説明します。

分電盤とは?その役割と仕組み

分電盤は、建物に供給された電力を各エリアや電気機器に安全に分配するための装置です。主に、電力を管理し、安全に供給する役割を担っています。

分電盤には、各エリアや回路に電気を送るためのブレーカーが設置されています。ブレーカーは、過剰な電流が流れると自動で電力を遮断し、火災や電気機器の故障を防ぐ重要な役割を果たします。

分電盤の主な機能

  • 建物内の各エリアに電力を安全に供給
  • 過負荷時に電力を自動で遮断
  • 電気設備の異常時に迅速な対応が可能

分電盤の種類

分電盤には様々な種類があり、用途や設置場所によって選ばれます。以下に代表的な分電盤の種類を紹介します。

主幹分電盤(主幹盤)

主幹分電盤(主幹盤)は、主に大規模な施設や建物で使用される分電盤で、電力会社から供給される電力を建物全体に分配する役割を担います。この分電盤には通常、主幹ブレーカーが設置されており、過負荷や短絡時に全体の電力を遮断して建物全体を保護します。商業ビルや工場など、電力消費が大きい施設では特に重要な装置です。

一般用分電盤(住宅用分電盤)

一般家庭や小規模な建物で使われる標準的な分電盤です。各部屋やエリアに電力を分配し、各回路にブレーカーを配置しています。多くの住宅ではこのタイプの分電盤が見られます。

漏電遮断機付き分電盤

漏電ブレーカーを内蔵しており、漏電を検知すると自動で電力を遮断します。特に安全性が求められる場所で使用されることが多いです。一般住宅にも標準装備されることが増えています。

制御盤

制御盤は、機械や設備の運転を制御するための分電盤です。電力の分配だけでなく、装置の運転や停止、温度や圧力などの監視制御も行います。工場やプラントなどの産業用施設で使われます。

動力用分電盤

主に工場や大規模な施設で使われる分電盤で、動力機器(モーターやコンプレッサーなど)に電力を供給します。これらの機器は高電圧・高電流を使用するため、動力専用のブレーカーが装備されています。

太陽光発電対応分電盤

住宅や施設に太陽光発電システムを導入した場合に使われる分電盤で、太陽光発電から得た電力と通常の電力供給を組み合わせて管理します。余剰電力を売電する機能も備えていることがあります。

計測分電盤

電力の消費量を計測する機能を持つ分電盤です。商業施設や工場などでは、各エリアや機器ごとの電力使用状況を詳細に管理するために使用されます。スマートメーターやエネルギーマネジメントシステムと連携していることが多いです。

エコキュート・エコウィル対応分電盤

エコキュートやエコウィルなどの家庭用設備に特化した分電盤です。これらのシステムは大量の電力を消費するため、専用の分電盤で電力管理を行います。

コンセント分電盤

コンセントの供給用に使われる分電盤で、主にオフィスやビルの設備において、各フロアやエリアにコンセントを分配するために使われます。

防爆型分電盤

防爆型分電盤には、外圧型と内圧型など種類があります。爆発性ガスや粉塵のある危険な環境で使用される分電盤です。特別な密閉構造や防爆性能を持ち、火花や熱で引火しないよう設計されています。石油精製工場や化学プラントなどで使われます。

可搬型分電盤(ポータブル分電盤)

可搬型分電盤は、仮設工事やイベント会場など、臨時の電力供給が必要な場所で使用される分電盤です。持ち運びが可能で、設置場所に応じて簡単に電源を分配できるよう設計されています。
特に工事現場では、仮設主幹盤が使用されます。これは、仮設設備や一時的な建物に電力を安全に分配するための分電盤で、過負荷や短絡時には迅速に電力を遮断します。また、仮設主幹盤は屋外での使用を想定しており、耐候性や耐水性が強化されているため、厳しい環境下でも安全で効率的な電力管理が可能です。

特高用分電盤

特別高圧(7,000V以上)の電力を管理する分電盤で、電力会社や大型施設で使われます。高電圧に対応するため、絶縁性能や安全装置が強化されています。

防水型分電盤

屋外に設置されることを想定して作られた分電盤で、雨や湿気に強い防水性能を持っています。工場の外部設備や公共施設、交通インフラなどの場所で使用されます。

ハイブリッド分電盤

家庭内のエネルギー管理を効率化するために、蓄電池や太陽光発電、電力会社からの電力を一体化して管理できる分電盤です。エネルギーの効率的な使用と節約を目的に設計されています。

スマート分電盤

IoT技術を活用した分電盤で、各回路の電力消費をスマートフォンやPCでモニタリングできる機能を備えています。電力管理や省エネに役立ち、住宅からオフィスビルまで幅広く利用されています。

分電盤工事が必要なタイミング

分電盤工事が必要になるタイミングは、主に次のような状況です。

1. 新築やリフォーム時の設置・交換

新築の住宅やリフォームを行う際、建物の電力管理を効率的に行うために、分電盤の新設や交換が行われます。

2. 電力消費の増加時

エアコンや大型家電製品などの電力消費が増えた場合、既存の分電盤では対応できなくなることがあります。このような場合には、容量の大きな分電盤への交換やブレーカーの追加工事が必要です。

3. 劣化や不具合が発生した時

分電盤やブレーカーは年数が経つと劣化し、不具合が発生することがあります。特に古い分電盤は漏電の危険があるため、定期的な点検と交換が推奨されます。

分電盤工事の費用に影響を与える要因

分電盤工事の費用は、いくつかの要因によって決まります。以下に主な要因を紹介します。

1. 分電盤の種類

一般的な家庭用分電盤と、工場などで使用される動力用分電盤では、設置費用が大きく異なります。特に、太陽光発電や蓄電池システムを導入する場合、対応した分電盤が必要となり、費用が高くなります。

2. 分電盤の容量

建物の電力消費量が多い場合、より大容量の分電盤が必要になります。大容量の分電盤は価格が高く、工事費用も増加します。

3. 工事の規模

新設工事や古い分電盤の交換、ブレーカーの追加など、工事の内容によって費用が異なります。特に電力の増強工事が必要な場合、配線の改修作業も発生するため、工事費用が上がる可能性があります。

分電盤工事の費用相場

分電盤工事の費用は、工事の内容や規模によって異なりますが、一般的な家庭用分電盤の工事費用の相場は次の通りです。

  • **一般家庭用分電盤の交換**: 5万円〜10万円
  • **漏電遮断機付き分電盤の設置**: 8万円〜15万円
  • **動力用分電盤の設置**: 20万円〜50万円
  • **太陽光発電対応分電盤の設置**: 10万円〜30万円

これらの費用には、分電盤本体の価格と、工事費用が含まれています。また、建物の規模や工事内容によって費用は大きく変動するため、事前に見積もりを依頼することが重要です。

当社では、分電盤工事費用の基本工事価格(資材・材料費別)は、17600円です。

分電盤工事の注意点

分電盤工事を依頼する際には、次の点に注意しましょう。

1. 資格を持つ業者に依頼する

分電盤工事は専門知識と技術が必要なため、必ず電気工事士の資格を持つ業者に依頼しましょう。不適切な工事は火災や感電の原因となるため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

2. 定期的な点検が必要

分電盤は年数が経つと劣化するため、定期的に点検を行い、異常があれば早めに交換や修理を行うことが安全につながります。

3. 電力使用量に応じた分電盤の選択

建物の電力使用量に応じた適切な容量の分電盤を選ぶことが重要です。電力消費が増えた場合には、分電盤の容量を増やすことも検討しましょう。

まとめ

分電盤工事の費用は、分電盤の種類や容量、工事の内容によって異なります。特に安全性や電力の効率管理を考慮すると、定期的なメンテナンスと適切な分電盤の選定が重要です。工事を依頼する際には、信頼できる業者に見積もりを依頼し、最適なプランを選ぶことが大切です。

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